障がい者の方は、身体を動かす機会が少ないと感じています。「障がい者のある方」にとっての乗馬は、単に気晴らしや遊びとしてではなく、本来その方が持っている身体機能の回復や精神的な成長発達を促す効果を持っています。馬の上でバランスを取ることによって、リハビリとしての効果や、馬に乗ったり触ったりすることで自信にもつながっていきます。
普段、生活の中では、あまり表情をかえることなく、笑うことの少なかった利用者さんが馬に乗った途端。満面の笑顔を見せてくれたり、脳性麻痺でまったく座位が取れず抱えられ乗っていた方が、2年の乗馬療法によって今では一人で馬に乗れるようになった…など、様々な効果を上げています。
当初は数人がかりで乗せてスタッフが同乗し
本人を抱えての乗馬でしたが…
平成18年、弛緩性の脳性小児麻痺で1人では座位を保つことができない車いすの息子さんを連れたお母様が乗馬をさせてあげたいという事で来園されました。座位の取れない方の乗馬依頼は初めてだったので初めはスタッフが同乗し本人を抱えての乗馬から始めました。週に1度の割合で乗馬を続けている間に、少しずつではありますがそれまで全体重をスタッフに預けていた本人が徐々に自分で体を支える力がつきはじめ、スタッフから体を離す状態が多くみられてくるようになりました。
乗馬の回数を重ねる度に徐々に変化が!!
週に1度の割合で乗馬を続けている間に、少しずつではありますがそれまで全体重をスタッフに預けていた本人が徐々に自分で体を支える力がつきはじめ、馬場を1周する間に馬に手をついて体を起こす回数が1回から2回、2回から3回と・・・。
私たちは目を見張るその変化に驚くばかりでした。そして2年という月日を経て、遂に一度も倒れこむことなく自分一人で座位を保ち馬に乗れるようになったのです。